西城秀樹 " BiG GAME'79 HiDEKi"
キング・クリムゾンを最近ようやくちゃんと聴き始めた。
僕は中学生の頃にジャケ買いした"クリムゾン・キングの宮殿"以外のアルバムは聞いたことがなかった。
しかし、YouTubeで"スターレス高嶋"の異名を持つプログレ大好き俳優
高嶋政宏さんがキング・クリムゾン について語っている動画を観てから次第に興味が湧いてきてネットで関連記事を読んだりレコードも少しずつ買うようになった。
ある日、ネットの記事を読んでいたらまさかの歌手がキング・クリムゾンをカバーしている事を知った
西城秀樹さんである。
記事にはクリムゾンキングの宮殿収録の"Epitaph"をカバーしているとあった。
"エピタフをカバー⁉︎"
意外だった。
宮殿のアルバムの中でもマニアックなところをついている様に思えた。
宮殿といえばテレビCMなどでも使われている1曲目の"21st Century Schizoid Man"か表題曲の"The Court of the Crimson King"あたりをカバーするのがスタンダードだと思うのだが西城秀樹さんはエピタフをカバーした。
余談だが僕が日常生活を送っている上で意図せずエピタフを聴いた経験は、現在住んでいる賃貸マンションを探す際に立ち寄った中野区にある不動産屋で流れていた有線放送でたまたまかかっていた時の1度きりである。
早速聴いてみようとYouTubeで探したらすぐに出てきた。
間違いなく西城秀樹が歌詞も曲もほとんど変えずにしっとりと歌っていた。
これはオリジナル盤が欲しいと思い都内のレコード屋を転々とまわったのだが
けっこう人気盤なのかなかなか見つからず、けっきょくヤフオクで5000円くらいで落札した。
後楽園球場で降りしきる雨の中熱唱する西城秀樹のジャケットの裏面の収録曲を見てみれば、エピタフだけでなく、
クイーンの"We Will Rock You"とか
キッスの"I Was Made For Lovin' You"とか
サザンの"いとしのエリー"とか
他にも大名曲がジャンルにとらわれず、ずらりとならんでいた。
最初に見た時、思わず
"ウソだろッ⁉︎"と思った。
そしてやはり著作権がどうなっているのかも気になった。
そんな細かいことを考えながら針を落として聴いてみれば、
ビリー・ジョエルの"Honesty"が日本語詞で歌われていたりキッスの"I Was Made For Lovin' You"が歌謡曲チックにアレンジされ、僕の好きなエース・フレーリーのギターソロの部分はカットされて代わりに新日本プロレスの天山広吉がモンゴリアン・チョップを放つ時のごとく
「シューーーーーーッ‼︎」
っという声が入っていたりと
何でもありの世界が広がっていた。(これはこれで楽しいから好き)
しかしこの盤の"Epitaph"は最高に良かった。
途中で聴こえる偶然鳴った雷の音が当時の情景を思い浮かばせて神秘的に感じた。
ちなみに他に"Epitaph"をカバーした日本人は双子のデュオ"ザ・ピーナッツ"がカバーしている。
現代の日本人アーティストもいつかこの曲をカバーしてくれることを期待している。
ベイビー・ヒューイ "The Living Legend"
今回紹介するのは、そんなバイト中にCDの品出しをしていた時に知ったアルバム。
このジャケットを初めて見た時のインパクトは大きかった。(クリムゾンキングの)宮殿のジャケットに通ずるものを感じた。
このなんとも言えない、どこか物欲し気なベイビー・ヒューイの表情がレコード店のバイトを辞めた後も忘れられずアナログ盤を購入した。
たぶん初めて新品で買ったソウルのレコードだったと思う。26歳の若さで亡くなってしまったベイビー・ヒューイ唯一の作品。
カーティス・メイフィールドが全面プロデュースのこのアルバムは数多くのアーティストにサンプリングされたレア・グルーヴの名盤。
レビューなんて大層な事は書けないので僕個人の感想としては、
オシャレなソウルというのもそうなのだが、パンチの効いた力強いシャウトが特徴的に感じた。
ノリの良いホーンセクションに乗せる
100キロを優に越える巨体から繰り出される歌声は圧巻ッ‼︎
いつか人里離れた田舎に住んでJBLの馬鹿でかいスピーカーでピザ片手にビール飲みながら爆音で聴きたい作品である。
カーディガンズ "LIFE"
浜田省吾について語れパート1 "愛奴"
僕がまだ幼い頃、父親の車のカーステレオでかかっていた音楽といえば浜田省吾だった。
それを毎週出かける度に英才教育の様に繰り返し繰り返し聴いていたおかげで
今ではほとんどの曲を知っているだけに留まらず、どのアルバムが何年に出て同じアルバムでも新旧ミックスが違うものがあるところまで知ってるくらいの浜省ファンになった。
当然このブログでも書きたいと思うのだが、大変長い文章になりそうなので少しずつ小出しにしていこうと思う、、、笑
そんな大好き浜田省吾パート1はこちら
浜田省吾が1976年のソロデビュー前に1972年からドラム&ヴォーカルとして在籍していたバンド"愛奴"
吉田拓郎のバックバンドを担当していたことでも知られるバンド。
そのはいからなバンド名の由来は"メンバーが惚れた芸者の名前の愛奴(あいやっこ)から"説と
当時劇場で放映されていた栗田武原作の官能的作品"愛奴"からの説がある。
メンバー全員が大学を中退して故郷の広島に戻って半年間練習した後、度重なる偶然の末
広島のアマチュアミュージシャンがあれよあれよと数千人を前に吉田拓郎のバックバンドをやる迄に上り詰めたのは大変な快挙だ。
そんな愛奴で僕が1番初めに知った曲がこれ
この"二人の夏"は浜田省吾のベストアルバムの1曲目に入っていたことで知った。
1975年にファーストアルバムと同時発売されたこの7インチを
僕は都内のレコ屋を色々まわってずっと探していたが見つからず、ヤフオクで手頃な値段で出ていたので落札して手に入れた。
が、、、
仕事帰りにふらっと寄った幡ヶ谷のELLAレコードでヤフオクで落札した価格よりも少し安い価格で売っていた。
人生なんてこんなものである。
初期のビーチボーイズからの影響を強く感じられる様なウエストコースト・ロックな仕上がりのこの曲はこれからの暑い季節に最適。
何年か前にレンタカーで熱海に行った時、国道135号を走ってる最中にこれをかけたら
リゾートホテルが建ち並ぶ熱海のロケーションとバッチリ合ってなんとも言えぬ勝ち組感を味わうことができたので海辺のドライブにはおすすめ。
そして最近やっと手に入れたのがこれ
"恋の西武新宿線"
愛奴の2nd EPである。これも1975年発売のもので、あまり刷られていなかったのか全然見つけることができなかった。
どうやって入手したかと言うと、
やはりヤフオクでお財布に全然優しくないお値段で入手した。
たまんねぇ〜なぁ〜。
「9月の夕暮れ」
と歌詞に出てくる通り、秋口の少し肌寒くロンT1枚着るくらいが丁度いい気温の時期に聴きたい曲と思ってるのは僕だけかな?笑
西武新宿線を舞台とした純文学的な歌詞がなんとなくだが、バブル前夜のギラギラし過ぎないモダンな街並みや人の流れを想像できてオシャレに感じる。
もっぱら京王線ユーザーの僕は西武新宿線にはそこまで思い入れはないのだが12年前
高校の友人が卒業後、高田馬場のホテルマンの専門学校へ通っていた時に井荻に住んでいたので、そこへ遊びに行った時の事を
これもなんとなくだが思い出す。その同級生は今は地元の新潟県柏崎市に帰り車屋のディーラーとして活躍している。
話はそれたが
昨今の世界的な和モノライトメロウ、シティポップブームに乗ってこの愛奴というグループが再注目される日も近いと僕は思う。
今回紹介した"二人の夏"と"恋の西武新宿線"の2曲が収録されている愛奴のデビューアルバム
こちらを皆様も今年の初夏から秋口にかけて聴いてみてはいかがでしょうか?
吾妻光良 & The Swinging Boppers "Squeezin' & Blowin"
中高生の頃はJAZZやブルースというものは大人の聴く音楽だと思っていてずっと触れずに過ごしてきた。
高校を卒業し長野県の職場に就職していた頃たまに新潟の実家に帰ると
決まって古い友人とドライブに出かける訳なのだが、その時初めてこのアルバムをカーステレオで聴いた。
管楽器、ピアノ、ウッドベースそして指で弾く軽快なギターの大人っぽくシャレた演奏。
しかし、その演奏に乗せて歌うのは人生の旨みも苦汁も知り尽くした中高年からの教訓の様な歌詞。
「なんじゃこりゃ?笑」
っと思いつつも初めて触れるこのジャンルにハマってしまい
その友人に当時使っていたiPodへアルバムを何枚か入れてもらった。
軽快なリズムに乗せてズバズバと若者達へ説教をくれる様な歌詞や
中高年特有の職場や嫁に対するなんとも言えない悩みの歌詞が笑えるだけでなく妙に心に響いた。
すっかりハマった僕は20歳くらいの時に渋谷のクアトロに吾妻光良 & The Swinging Boppersのライブを観に行ったこともある。
無精髭をたくわえた気の良さそうなオジさんが背広姿でダブルネックギターを強烈に指引きする姿は決して若者には出すことのできないカッコ良さがあった。
時事ネタを織り交ぜながらのユーモア溢れるMCで場を和ませながらも、一度演奏が始まれば大迫力の演奏を観せてくれた。
キング・クリムゾンの名曲"The Court of the Crimson King"のカバーも圧巻であった。
それから約10年後
僕はライブを観た渋谷クアトロの近くにできたHMVレコード専門店の新譜コーナーで写真のレコードを見つけた。最近やっとアナログ化されたらしい。
僕はこのアルバムをレコードで聴くことができてめちゃくちゃ嬉しかった。
あの管楽器のスウィング感はアナログ盤の再生環境さえ整えてやればライブばりのど迫力で聴けると思っていたからだ。
しかしながら、あいにく現在の僕の稼ぎではそんな立派な再生環境を揃える程の財力はないので
長い年月をかけて少しずつ揃えて良い音へしていこうと思う、、、笑
昨年40周年を迎えた吾妻光良 & The Swinging Boppers
それを記念して新譜もリリースされているので要チェックである。
藤波辰巳 "マッチョ・ドラゴン"
頑張る人が好きである。
勉強でもスポーツでも仕事でも頑張れば必ず何らかの成果が得られるし、それに打ち込む姿は大変素晴らしい。
僕はそんな気持ちになるレコードを1枚持っている。
プロレス界でドラゴンといえばこの人
藤波辰巳が85年に出した"マッチョ・ドラゴン"
藤波さん本人が歌っているのだが、その歌唱力たるや町内のカラオケ大会で童謡を一生懸命に歌う小学生を彷彿とさせる様な代物。
僕も初めて聴いた時は思わず吹き出してしまった。
しかしこのレコードは知る人ぞ知る名盤で
プロレスファンだけでなくレコードコレクターの間でもレア盤として人気を博し、高値で取り引きされているうえ入手も困難である。
なので僕はこれを下北沢のディスクユニオンで発見した時は静かに"ウォッ‼︎"っと声を上げ、値段も見ずに手に取り即購入した。
芸能界でもこの曲を好きな人は多く、度々テレビ番組などでも紹介されたりしていた。
音楽的にもこの曲を一時期入場曲として使っていた元新日本プロレスのケンドー・カシンから
「世界中どこで流しても客が笑う不思議な曲」と謎の評価をもらっているほか
なんとあの東京FMの今や老舗番組、山下達郎の"サンデーソングブック"でも取り上げられるほどの話題性を持っている。
この状況は狙って作れるものではない。
後に藤波さんは
「決してうまいとは思っていない」「お客さんに対してのサービスって言うのかな。気持ちでね、聞いてもらおうという感じでね、精魂込めて歌いました」
とプロレスラーの鏡のようなコメントを述べている。
本業ではない歌の仕事にも決して手を抜かず一生懸命取り組んだ結果が思いがけず人々の心を掴むいわゆる名曲ならぬ"迷曲"を生み出したのだった。
このレコードのリリースから3年後の1988年
藤波さんは試合後の控え室で自らの主張を押し通そうとアントニオ猪木と抗論となり
その際、誠意を見せようとなぜかその場にあった救護セットに入っていたハサミで突然自分の前髪を切り始めるという暴挙に出た。
これも藤波さんの一生懸命な気持ちが日本プロレス史における伝説的事件"飛龍革命"を起こしたのだ。
藤波さんの物事に対して一生懸命頑張る姿勢を見ていると成果とは成るものではなく付いてくるモノだということをつくづく痛感させられる。
2020年現在、藤波辰巳はまだ引退はしていない。
これからも伝説を作ってくれる事を期待している。
ネッド・ドヒニー "Hard Candy" ピーター・クリス"LET ME ROCK YOU"
新型コロナウイルスの影響で休業していたディスクユニオン下北沢店が営業を再開したので久しぶりに先日行ってきた。
この店に1ヵ月以上も足を運ばないのは上京して来てからの8年の間では無かったこと。
入り口に設置してあった心なしか桃の香りのするアルコール液で手を消毒してから久々のディグ開始。
新着中古レコードの入った棚の前に立ち手前のレコードから奥に向かって1枚、1枚パタパタと倒しながらお宝探索をした後は、
中学時代にどハマりして馬鹿の一つ覚えのように毎日聴いていたKISSのコーナーへ
前述の通りここでも1枚、1枚パタパタと見ていくと見慣れぬジャケットが、、、
手にとってタイトルを確認してみると
"PETER CRISS"の文字が
KISS初代ドラマーのピーター・クリスのソロはメイクしてるジャケットのヤツしか知らなかったので即購入。
オランダ盤で2300円くらいだった。
早速、家に帰って聴いてみた。
ピーター・クリスというとKISSでボーカルを担当した"Beth"とか"Hard Luck Woman"などのバラード系の曲をあの軽〜いしゃがれ声でしっとり歌ってるイメージがあって
このアルバムもカントリー調の静かなやつ聴かせてくれるのかなぁと思いきや全体的に元気な古き良きハードロックといった感じのアルバムだった。
コレは日曜に昼間からビールでも飲みながら聴く用にしよう。
それとこの日は、1ヶ月前にAmazonで購入していたレコードが海外からやっと届いた。
3枚購入したのだが今回届いたのは1枚
実に夏らしく清涼感たっぷりのジャケット。
後ろにある木と青い空がなんともシティポップ感満点なのだがこちらのアルバムはシティポップではなくAORな作品という話しらしい。
このアルバムのジャケットはディスクユニオン店頭の壁紙などで見たことがあり、
存在は知っていたが特に興味もなく全く聴いたことがなかった。
僕は今までずっとロックやパンクなどの激しい音楽ばかり好んで聴いていたからだ。
しかし、昨年に30代の仲間入りしたあたりからもっと色んなジャンルを聴いてみようと思い始めた。
そんな中でYouTubeで見つけた元"森は生きている"の岡田拓郎氏と"Roth Bart Baron"の三船雅也氏によるチャンネルBIZARRE TVで
このネッドドヒニーのアルバムが紹介されてたのでAmazonでポチった訳だ。
聴いてみるとジャケット通り、爽やかな大人のロック?
ポップ要素の多いロックな感じに聴こえた。
オシャレである。
驚いたのはこのアルバムが発表されたのが1976年ということだ。
日本ではおよげたいやきくんがヒットしたり
アントニオ猪木がウイリアム・ルスカと異種格闘技戦を行った年に
ポップで今風なこのアルバムが作られたと考えると、不思議な時間のギャップの様なものを感じずにはいられなかった。
もう季節は初夏なのでサブスクで通勤時にでも聴くことにしよう。