吾妻光良 & The Swinging Boppers "Squeezin' & Blowin"
中高生の頃はJAZZやブルースというものは大人の聴く音楽だと思っていてずっと触れずに過ごしてきた。
高校を卒業し長野県の職場に就職していた頃たまに新潟の実家に帰ると
決まって古い友人とドライブに出かける訳なのだが、その時初めてこのアルバムをカーステレオで聴いた。
管楽器、ピアノ、ウッドベースそして指で弾く軽快なギターの大人っぽくシャレた演奏。
しかし、その演奏に乗せて歌うのは人生の旨みも苦汁も知り尽くした中高年からの教訓の様な歌詞。
「なんじゃこりゃ?笑」
っと思いつつも初めて触れるこのジャンルにハマってしまい
その友人に当時使っていたiPodへアルバムを何枚か入れてもらった。
軽快なリズムに乗せてズバズバと若者達へ説教をくれる様な歌詞や
中高年特有の職場や嫁に対するなんとも言えない悩みの歌詞が笑えるだけでなく妙に心に響いた。
すっかりハマった僕は20歳くらいの時に渋谷のクアトロに吾妻光良 & The Swinging Boppersのライブを観に行ったこともある。
無精髭をたくわえた気の良さそうなオジさんが背広姿でダブルネックギターを強烈に指引きする姿は決して若者には出すことのできないカッコ良さがあった。
時事ネタを織り交ぜながらのユーモア溢れるMCで場を和ませながらも、一度演奏が始まれば大迫力の演奏を観せてくれた。
キング・クリムゾンの名曲"The Court of the Crimson King"のカバーも圧巻であった。
それから約10年後
僕はライブを観た渋谷クアトロの近くにできたHMVレコード専門店の新譜コーナーで写真のレコードを見つけた。最近やっとアナログ化されたらしい。
僕はこのアルバムをレコードで聴くことができてめちゃくちゃ嬉しかった。
あの管楽器のスウィング感はアナログ盤の再生環境さえ整えてやればライブばりのど迫力で聴けると思っていたからだ。
しかしながら、あいにく現在の僕の稼ぎではそんな立派な再生環境を揃える程の財力はないので
長い年月をかけて少しずつ揃えて良い音へしていこうと思う、、、笑
昨年40周年を迎えた吾妻光良 & The Swinging Boppers
それを記念して新譜もリリースされているので要チェックである。